
大学院進学
GRADUATES VOICES 
カリナ・キリバエハさん
国際教養学部2022年卒業
上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科2024年修了
カザフスタン出身
<上智大学大学院合格>
クリティカル・シンキング力は、
今の私にとって自分が得た
最も重要なスキルです。
卒業後、大学院へ進学
母国の高校を卒業後、語学学校に通うために東京に移り住みました。その後、宮崎国際大学と横浜国立大学の両方に合格し、MIUへの入学を決めました。MIUを選んだ理由は、九州地方に住んでみたいと思ったからです。これは私の人生で最も良い決断の一つでした。MIUでの最初の1年間は、新しい友人との出会いと活気あるキャンパスライフで満たされた素晴らしい経験でした。
しかし、2年次から3年次は、新型コロナウイルスのパンデミックが発生し、授業はオンラインになりました。困難な時期でしたが、先生方のサポートとアルバイトのおかげで、精神的に安定することができました。先生方は常に献身的な指導を続けてくださり、必要に応じて個別サポートを提供し、授業を魅力的で考え深い内容で継続できるように努めてくださいました。
3年次には、多言語スキルがより多くの機会をもたらすと考え、東京に戻り修士号を取得することにしました。上智大学と立命館大学の両方に合格しましたが、MIUでの強力な学術的サポートのおかげで私のGPAは向上し、満足した卒業論文を仕上げることができたので、最終的に上智大学を選びました。
2022年から2024年まで上智大学で学び、大変充実した時間を過ごしました。大学院を卒業後、東京にて、ありがとうトラベル株式会社に入社し、自分の学業経験と国際的な視点を活かし、外国人旅行客の日本での旅行体験をさらに充実したものとなるようにサポートしています。2016年から日本に在住していますので、日本滞在歴は9年になります!
大学院での研究テーマ、
大学院を志望した理由は?
私は上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科に入学しました。私の研究は、ユーゴスラビア戦争とアジアの「慰安婦」問題との比較分析を通じて、戦時中の性的奴隷問題に焦点を当てました。戦時中の性的暴力が歴史的認識や移行期正義メカニズム、世間の記憶を通していかに対処されてきたかを考察することにしました。
上智大学大学院を選んだ主な理由の一つは、私が政治史と人権に学術的関心があり、それに近い研究をされていた中田浩一教授の下で研究できる機会があったからです。私の学部時代の指導教官であるフェリックス・ヒメネス・ボッタ教授が中田教授の研究をご紹介くださり、中田教授の指導の下でさらに研究を続けるよう薦めてくださいました。
さらに、上智大学の国際的な環境もこの大学院を選んだ重要な要因でした。上智大学は多様な学生で構成され、バイリンガルの学術プログラムは、グローバル研究において不可欠な要素である異文化間の対話とグローバルな視点を育む理想的な環境を提供していました。
MIUで学んで一番良かったこと、
大学院進学や
今の自分に活かされていることは?
MIUで学んだ最も価値あることの一つは、歴史、政治、クリティカル・シンキング力の融合です。この3つの分野は、私の学問的な基盤を形作ってくれただけでなく、大学院での研究や就職活動においても不可欠な要素となりました。これらの知識は、特に分析的な思考とグローバルな課題への深い理解が求められる研究やインタビューにおいて、複雑なテーマに深く掘り下げ、自信を持って取り組むことを可能にしてくれました。
私は、MIUの先生方に大変感謝しています。先生方の支援は教室の枠を超えていました。直接関わらなかった先生方も含め、先生方の多くが困難な時期に常に相談に乗ってくださいました。先生方は学術的な知識だけでなく、私に人生を導く個人的な知恵も授けてくださいました。
また、クリティカル・シンキング力は、今の私にとって自分が得た最も重要なスキルです。MIUは、教育とは単に情報を得るためのものではなく、教わったことを超えてどう考えるか、疑問を投げかけ、反省し、より多角的な視点で世界を見ることを教えてくれました。この意識改革は、仕事の上でもプライベートの上でも計り知れない価値をもたらしてくれています。
MIUで尊敬する恩師は?
私は国際教養学部のすべての先生方を深く尊敬しています。中でも私の研究指導員であるフェリックス・ヒメネス・ボッタ先生には心から感謝しています。先生は私の学術的な道のりを形作る上で重要な役割を果たし、教育と学修に対する私の見方に深い影響を与えてくださいました。
フェリックス先生は、私の学部卒業論文の指導者として卓越した研究指導者であっただけでなく、上智大学への出願手続きにおいても一貫して支援してくださいました。先生の指導は学術的領域を超え、授業を通じて新たな思考の枠組みを紹介し、オープンな議論と批判的な思考を促す環境を提供してくれました。それは、私にとって知的な刺激だけでなく、個人的な成長にもつながる貴重な経験でした。
先生とは今でも連絡を取り合っています。私が重要な決断に直面した時や助言が必要になった時は、迷わず先生に連絡を取ります。先生はいつも私を助けてくださいます。私にとって、それは真の献身的な先生の証です。卒業後も長い間、学生を気にかけて支え続けてくれる方です。
また、和田先生も忘れていません!私の日本語の指導教員です!!!和田先生は本当に人としても先生としても素晴らしい方です。人生で先生のようにとても明るく、親切で助けてくれる人に出会ったことがありません!!MIUの学生時代、和田先生は私に何度も助言してくださいました。
MIUを選んだ理由は?
語学学校を卒業した時、正直なところ、何を勉強したいのか、どういう道に進みたいのかまだ決めていませんでした。そこで、グローバル・リベラル・アーツコースを選択しました。それは、さまざまな分野を学び、自分の本当の興味を見つけるための時間と柔軟性を確保したかったからです。
MIUを選んだもう一つの重要な理由は、日本の田舎での生活を体験したかったからです。静かで自然豊かな環境で暮らすことは、大都市の喧騒とは全く異なる視点を得られると考えました。将来の方向性を模索する中で、勉強に集中し、地元の文化と深くつながり、よりゆっくりとした意味のある生活を送れる良い機会だと考えました。
現在住んでいる都市と比べて、
宮崎での生活に対する印象は?
日本の田舎で生活した多くの外国人は、孤立感や排他的な雰囲気を感じたと話しています。しかし、私の宮崎での経験は全く逆でした。私の生活は本当に素晴らしいものでした。アルバイト先のマネージャー(店長)とは良い関係で、親しい友人たちもでき、時間をより楽しく過ごすことができました。宮崎ののんびりした生活ペースをとても有難く感じました。両親が訪れた際も、特に青島を気に入っていました。唯一の問題は、車を持っていなかったことです。車があれば、より自由に探索できたことでしょう。しかし、私はバスや電車を利用することに順応し、不憫に感じたことはありませんでした。宮崎での生活は、私に違った生活のリズムを受け入れることを教えてくれました。これは、日本で経験した最も特別な体験の一つです。
MIUの学びのスタイルについて
良かった点と難しかった点
MIUで学ぶ最も良かった点の一つは、教職員との密接な関係です。そこには本当に家族のような温かさがありました。日本の生活で直面した問題に対して職員の方々は常に助けてくださいました。特に、ロイドさんとユキコさんは個人的な問題にも親切に対応してくださり、宮崎での生活をより安易で快適なものにしてくれました。
難しかった点は、宮崎で生活するには、県内やその美しい周辺地域を十分に巡りたいと思えば、車を持つことがほぼ必須です。もう一つの学術的に難しかった点は、学生間で英語力に差があり、その環境に適応することでした。短期間で欧米のレベルの研究経験を望む私たちにとっては、先生方と直接コミュニケーションを取ることが重要でした。幸いなことに、先生方は非常に柔軟で、さらに追加の課題を望む学生にはより高度な読書資料や課題を与えてくださいました。全体的に協力的な環境と学修プログラムの柔軟性によってMIUでの経験は非常に充実したものになりました。
学生時代に自分自身に課した目標
1.日本で仕事を見つける
2.本をたくさん読む
3.クリティカル・シンキング力を養う
日本語および
英語のスキル向上において
設定した目標とその達成方法は?
MIUの在学中、私は日本語と英語の両方の語学スキル向上に明確な目標を設定しました。日本語に関しては、日本語能力試験の2級に合格することを目標とし、見事達成しました。和田先生と密に連携し、友人との会話やアルバイトなど、日常のあらゆる場面で日本語を使うよう努めました。これにより、実践的な語学スキルが大幅に向上しました。
英語に関しては、TOEIC試験で高得点を取得することを目標にしました。継続的な練習、模擬試験の繰り返し、総合的な読解を通じて、速度と正確性を両立させることで、この目標を達成しました。
MIUでの大学生活で得たものは?
MIUでは、学術的な知識だけでなく、真の友人を得ることができました。良い時も辛い時も支えてくれた友人たちとの絆は、故郷から遠く離れていても、ここに属していると感じさせてくれました。
教職員の支援的な環境は、日本での勉強や生活に適応する上での課題克服を容易にしてくれました。また、どう責任を取るか、異なる文化にどう向き合うかなどを学びながら、自分を取り巻く世界をより批判的に考える力を養うことで、より自立的で自信に満ちた人間に成長することができました。MIUでの大学生活は、今の私を形作る上で確実に大きな役割を果たしました。
今後の夢や目標は?
私の長期的な目標は、日本の永住権を取得し、日本で観光業界のキャリアを築き続けることです。特に、私が住んでいた時に好きになった九州の観光振興に情熱を注いでいます。九州は豊かな文化、美しい自然、そして独自のローカル体験など、多くの魅力を持つ地域でありながら、海外の旅行者からあまり注目されていないのが現状です。
現在、私は九州の隠れた魅力を紹介し、日本全体でバランスの取れた旅行を促進する持続可能な観光開発に注力しています。また、東京、大阪、京都などの過密観光地におけるオーバーツーリズムの軽減にも取り組んでおり、同じように重要だけれどもより混雑の少ない観光地へ旅行者を誘導することで、日本におけるより考え抜かれた地域包括的な観光アプローチに貢献したいと考えています。
これから大学院進学を目指す留学生へ
大学院での勉強は、挑戦的ながらも深く充実した道となりえます。特に、自国以外の国で学ぶ場合はなおさらです。私からの留学生へのアドバイスは、学業でもプライベートでも、この経験を全力で受け入れることです。必要な時には助けを求めることを恐れないでください。あなたが信頼すれば、教職員の方々はあなたにとって一番の味方になってくれます。私の場合、MIUと上智大学の指導のおかげで目標通りに進み、予想以上の成長を遂げることができました。
また、オープンマインドでいることも重要です。最初は学びたい分野を決めてきているかもしれませんが、授業や先生、同級生を通じて、新しい興味や視点を見つけるかもしれません。その機会を真剣に捉えてください。それはあなたの未来を大きく切り開くことになるかもしれません。
最後に、学業と現実の生活をバランスよく組み合わせましょう。アルバイト、ボランティア、日常の会話などを通して、周囲のコミュニティに参加することは、語学スキルを向上させるだけでなく、あなたの勉強や日本での生活に、より意味のある関係を築いてくれることでしょう。