教育学部 児童教育学科

教員メッセージ

子どもたちの「どうして?」について
考える姿勢を大切に。

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ボクがインタビューしたよ! MIU(ミウ) 宮崎国際大学公式マスコット
キャラクター MIU(ミウ)

科学教育・博物館教育・ユーザー感性学

坂倉 真衣 Mai Sakakura

出身地 日本
担当教科 理科Ⅰ・Ⅱ、
理科教育法Ⅰ・Ⅱ、
生活科教育法など

「子どもたちが科学について学ぶ場をつくりたい」
という思いから、科学教育を目指した坂倉先生。
科学を学ぶ子どもたちの感性にもフォーカスするんだ!

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現在の専門分野を目指したきっかけは?

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元々は農学部で、タンパク質の結晶構造解析の研究をしていました。そのまま農学部での研究を続けるか迷いましたが、学部時代に教員免許を取得する過程で理科教育に関心を持ったこと、九州大学ユーザーサイエンス機構(当時)が行っていた「絵本カーニバル」に出合ったことで、大学院から現在の専門分野に移りました。絵本カーニバルは、絵本を通した地域の中の第3の子どもの居場所をつくることを目指して現在も各地で行われている活動です。当時農学部生であった私は、自分が幼い頃から大好きだった「科学絵本」を通して地域の子どもたちが集まったり、広く「科学」について学んだりする場をつくりたいと思ったことが、現在の専門(科学教育、博物館教育)を目指すようになったきっかけです。

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専門分野のおもしろいところって?

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科学教育は、「科学」および「教育」のことを考えることが必要な学際的な学問分野です。物事を科学的に考える素養はもちろん関連分野の自然科学の知識、そして教育学の動向、科学を学ぶ子どもの心理などについても理解することが必要です。また、私は学位を取得した「ユーザー感性学」という学問領域で学んだ視点を持って、理科や科学を学ぶ子どもたちの「感性」について考えています。
網羅する領域はとても広いですが、分野横断的に考えることで、一方の分野では既知であることも、他の学問領域では未知の問題であることに気づくこともあります。一般的な理系・文系の枠組みにとらわれず、学際的に考えることができることが、科学教育に携わる魅力であると感じています。

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大切にしていることや目標は?

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研究においては、学生時代の恩師から繰り返し教えられた「よい理論ほど実践的なものはない」という知覚心理学者であったクルト・レヴィンの言葉を大切にしています。科学教育、博物館教育の実際の現場をしっかり観察し、そこで起こっている現象を丁寧につかみ取って、実践に役立つ理論にしていくことを目指しています。
研究指導では、学生の興味・特性をふまえた上で、相談をしてテーマを決めます。テーマを選ぶ上では、社会的な価値、学術的な価値、個人的な価値の3者が重なることが重要であると考えています。よって、学生の個人的な興味・特性をふまえ、将来教員として社会的に必要とされる知見を得ることを視野に入れながら、学術的にも価値のある研究にしていくことを目指して、日々指導を行っています。

Pick Up 授業

「生活科教育法」「理科教育法」(2~3年次)

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1年次の「生活」「理科」での学びをふまえて、各自指導案を作成し、模擬授業を実施・検討することが中心の授業だよ。「理科教育法」では1人1単元ずつ指導案を作成し、必ず1回は模擬授業を行う機会があるんだ。これは少人数教育ならでは! 初めての経験となる学生も多いけど、指導案を何度も検討し、授業で使う教材・教具を念入りに準備して当日に臨むんだ。模擬授業の後は、無事に終えることができて達成感を感じて笑顔となる学生がいる一方、思った通りにいかず悔し涙を流す学生もいるとか……。小学校理科の基本である「児童を主体とした問題解決型授業」を計画することの難しさややりがいを肌で感じ、教職を目指す意識がさらに高まるきっかけになっているよ。

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MIUの魅力って?

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宮崎国際大学教育学部は、1学年50名という少人数であるため、1年次から教員と学生との距離も近く、アットホームな雰囲気かつ知的刺激を受けやすい環境で学ぶことができます。「忍ヶ丘教養Ⅳ」では、2年次の段階で各研究室に配属され、自分の関心のある分野について探究することができます。また、私の担当する教育法などの授業でも、指導案や模擬授業について一人ひとり、丁寧に添削・指導することを心がけています。「教員になりたい!」という強い思いを持って入学する学生が多く、切磋琢磨し合えるたくさんの仲間に出会えることも、大きな魅力の1つだと、学生たちの日々の様子を見て感じています。

坂倉先生から これから学ぶ人へメッセージ

宮崎国際大学教育学部では、小学校教員、幼稚園教員、保育士などの初等教育に携わる上で必要な教育・保育に関する専門的で幅広い知識・考え方を学ぶことができます。小学校教員には、基本的にはすべての教科・科目を教えることのできる力が求められ、幼稚園教員・保育士としては子どもたちの幅広い興味を育み、育ち全般に関わることが必要です。ですので、教員を目指す上では、自分が苦手なことにも向き合うことが必要になるでしょう。
宮崎国際大学に入学をする学生は、理数科目を苦手とする学生が多いですが、子どもたちは自然に対してたくさんの「どうして?」「なぜ?」という純粋な疑問を抱いています。よって、特に理科においては、高校生までで学習してきた科学知識の背景にある「どうして?」「なぜ?」について考える姿勢を持って、学び直し・学びほぐしをしていってほしいと思っています。

「自分が好きなこと」「自分ができること」「自分がやってみたいこと」これらは似ていますが、実際には少しずつ違いがあるように感じています。「好きなこと」は、「私が好き!」という内的な要因のみで完結するものである一方で、「できること」では、他者にとって自分が役に立てたり、他者と比べて自分が得意であったりすることなど外的な要因が入ってきます。
進路を検討する上では、「自分が好きなこと」「自分ができること」の両方を丁寧に振り返ると、「自分がやってみたいこと」が自ずと明確になるように思います。自分自身に向き合い、たくさんの人やもの、ことから刺激を受けて、自分を生かすことのできる選択をしてください。

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Mai Sakakura Profile

  • 九州大学農学部卒業。九州大学大学院統合新領域学府ユーザー感性学専攻修士課程修了。同博士後期課程単位取得後退学。博士(感性学)。
  • 初等理科および初等理数科教員養成研究のほか、博物館におけるモノを通した子どもの学びなどについて研究を行う。
    また、長くサイエンスカフェや科学ワークショップなど地域でのサイエンスコミュニケーションの実践も行い、フォーマル、インフォーマルの枠組みを超えた総合的な生涯科学教育に関心を持つ。

資格:高等学校教諭第一種免許状(理科)、学芸員資格

博物館・科学館巡り、山登り、パン作り、合唱などです。しばらくお休みをしていましたが、最近ランニングを復活し、ハーフマラソンにエントリーしました。「速く走ること」はとても苦手ですが、「長く走ること」は比較的できることに気づいてから、走ることが楽しくなりました。「速く走ること」は苦手でも、「長く走ること」はできるという気づきは、理科が苦手な学生たちに向けて教育を行う上でも大切な指針になっています。

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宮崎県木城町にある「木城えほんの郷」です。木城えほんの郷では、季節ごとの絵本の原画展などの企画展の他、田植え〜稲刈りなど1年を通してその土地の暮らしを体験できるものもあります。自然の中で「ひとかたまりの時間」を過ごしていると、「子どもが育つ」上で大切なことについて、肌身を通して改めて考えることができます。学生たちとも、何度も訪れている大好きな場所の1つです。

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「教えるとはともに希望を語ること。学ぶとは心に誠実を刻むこと」
フランスの小説家、ルイ・アラゴンの言葉です。少しのんきなように聴こえるかもしれませんが、ドイツでナチスによってユダヤ人の迫害をされていた時代に発せられたものだと考えるととても重みのある言葉です。教育が目指す根源的なことであると感じ、日々この言葉を心の真ん中に据えて、学生たちと関わっています。

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