令和5年8月9日(水)、Northeast Asia Peace Biolding Institute(NARPI)が、モンゴルのウランバートルとテレルジ国立公園で開催されました。
NARPIは、毎年8月にアジアのどこかで開催されるピースビルディングの学びの場です。コロナ渦を経て3年ぶりの対面開催となった今年は、モンゴル、韓国、中国、台湾、フィリピン、ミャンマー、カンボジア、スペイン、カナダ、アメリカ、日本などから約70名の参加者が、会場となったテレルジ国立公園に集いました。本学からは笠井綾先生(国際教養学部)がファシリテーターとして参加しました。
参加された笠井先生にインタビュー形式でお話を伺いました。
NARPIとはどんなプログラムですか?
世界各地から集まった参加者がフィールドワークやワークショップを通して、体験的にピースビルディングに役立つ知識やスキルを学びながら2週間一緒に過ごします。
東北アジアの地域は、歴史、領土、軍事、核の問題で緊張関係にあり、アジアの国々では軍事化が進んでいます。敵意と軍事優先の文化を平和と和解の文化へと変えていくには、そのための知識やスキルが必要です。
参加者は、紛争転換、修復的正義や調停、ジェンダー、気候変動、トラウマケアなどに関するトレーニングを選んで受けることができます。
フィールドワークでは、現地の歴史文化やその地域の人々が現在直面している様々な課題を学びます。
例えば、今回は気候変動や鉱物採取による砂漠化の問題に取り組む環境NPOや子どもの貧困問題に取り組む児童支援NPOでのフィールドワークが興味深く、一つの地域の問題が地球全体の問題と繋がっていることを実感しました。
また2週間一緒に過ごす中で、様々な地域出身の人々がお互いの共通点や違いを理解しながら関係を構築できました。
MIUからNARPIに参加するようになった経緯を教えてください。
もともと、アジアの人々が戦争の記憶をどのように受け継ぎ共有するかを対話するプロジェクトに参加していました。
様々な地域や国の人々が対話できる場に参加したいと思っていたところ、NARPIがスタートしました。
政府間で行われる取引的な「和解」や「解決」は、人々の心を置き去りにすることがあります。その置き去りにされた心が、次の紛争の元になるかもしれません。心理学とクリエイティブ・アーツが専門の私は、その心とどう向き合うか興味があります。
MIUの学生も参加できますか?
私が2016年からNARPIの講師として参加するようになってから、学生も参加するようになりました。
本学の学生は英語の授業に慣れているので、特に3,4年生は大活躍です。1,2年生ももちろん参加可能で、最初はちょっと悔しい思いをすることがありますが、自分が持つ最大限のボキャブラリーを駆使すれば、十分コミュニケーションが図れます。何より世界が広がりますよね。
自由時間は何をして過ごしていましたか?
草原の真ん中に会場があったので、乗馬やハイキングに出掛けたり、カルチャーナイトでは、それぞれの伝統衣装を身に着け、踊りや音楽などを披露しました。
モンゴルで最近流行っている歌や伝統的な踊りを習ったり、現地の子守唄をみんなで歌ったりしたのも楽しい思い出です。対面で集えるのはやっぱりいいなと実感しました。
来年はどこで開催されますか?
2024年8月に九州での開催を予定しています。
私は、開催国のメンバーとして10月には会場を選ぶインスペクションに参加する予定です。プログラム運営に関わるインターンシップもありますので、世界各地から到着する参加者の案内や国際スタッフのサポートなどMIUの学生にとっては活躍するチャンスです!
ありがとうございました。来年の8月はいよいよ九州での開催だそうです。楽しみですね。