宮崎国際大学は、建学の精神「礼節・勤労」という教育理念のもと、平成6年に、国際的視野に立つリベラル・アーツ大学として創設されました。平成26年には教育学部を新設し、教員養成や保育士養成にも力を注いでいます。
建学の精神「礼節・勤労」の根底にある願いは、地球が平和で、全ての人がお互いを尊重しあう社会の実現です。そのために、「礼節」の精神を通じて、自他の人間性を尊重し、自らを律し、他者の立場に立って物事を考える力を養い、さらに「勤労」の精神を通じて、心身を労して全てのことに積極的に努力する姿勢を大切にしています。このように何事にも真摯に取り組む精神によって、人格の陶冶をめざします。「礼節・勤労」の精神は、現代社会において、最も必要とされる精神です。
現代はVUCA(予測困難・不確実・複雑・曖昧)の時代といわれ、社会の変化はますます加速しています。技術革新やグローバル化の進展により、これまでの常識が通用しなくなり、正解のない課題に向き合う力が求められる時代です。そうした時代に対峙するためには、本学が創設以来30年にわたり実践し、研究を重ねてきた「リベラル・アーツ教育」と「クリティカル・シンキング力の育成」が大きな意味を持ちます。
リベラル・アーツ教育は、特定の分野の知識にとどまらず、幅広い視野を持ち、多角的に物事を捉える力を養います。また、クリティカル・シンキングは、あふれる情報の中から本質を見抜き、論理的に思考し、自らの考えを明確に表現する力を鍛えます。これらの力こそが、予測困難な時代を切り拓くために不可欠なスキルなのです。
本学では、こうした30年間に蓄積された教育を基盤に、令和4年度には、国際教養学部に新たなコースを設置し、令和5年度には大学院を開設するなど、学生や地域社会の多様なニーズに応えるべく、常に改革への意識を持ち大学教育の充実に取り組んでまいりました。本学に入学した学生一人ひとりがVUCA時代をしなやかに生き抜く力を身に付け、自ら未来を切り拓いていける人材へと成長できる大学でありつづけるため、私たちはこれからも挑戦し続けます。
10か国以上の学生・教職員が共に過ごす本学のグローバルキャンパスでは、多様な文化の違いを体験し、学びを深めることで、学ぶことの喜びを味わい、学友との語らいや交流を通して、新たな自分に出会ってもらえることを願っています。また、新たな自分への出会いの過程で「自分が社会に貢献できることは何か」「自分にしかできないこと、自分だからこそできることは何か」と、考えていただけると嬉しいです。
私が大切にしている言葉があります。「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。全てのことについて感謝しなさい」(聖書)。喜びに満ちた学生生活が皆さんを待っています。どんな時も感謝できる人になって欲しいと願っています。
本学での学生生活が、皆さんの生涯において、かけがえのない糧となり、社会に貢献できる力を身につけることができるよう、私たち教職員は全力で支援します。
宮崎国際大学で学び、新たな自分に出会い、世界へ、そして地域へと羽ばたいてみませんか。
宮崎国際大学長 山下恵子