はじめに
教育学部では、学部運営は、教授会・学科会議を中心に活動し、一方 FD 活動は平成26 年度学部設置後、FD委員会を中心に活発に活動してきた。FD の定義から本学部の重要な活動として位置づけている。
FDとは、文部科学相の諮問機関である中央教育審議会における議論・定義では「教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組の総称」となっており、その意味するところは極めて広範にわたるが、代表的な例としては、以下の(1)~(13)の例を挙げている。
(1) 大学の理念・目標を理解するワークショップ
(2) ベテラン教員による新任教員への指導
(3) 教員の教育技法(学習理論、授業法、討論法、学業評価法、教育機器利用法、メディア・リテラシーの習熟)を改善するための支援プログラム
(4) カリキュラム開発
(5) 学習支援(履修指導)システムの開発
(6) 教育制度の理解(学校教育法、大学設置基準、学則、履修規則、単位制度)
(7) アセスメント(学生による授業評価、同僚教員による教授法評価、教員の諸活動の定期的評価)
(8) 教育優秀教員の表彰
(9) 教員の研究支援
(10) 研究と教員の調和を図るシステムと学内組織の構築の研究
(11) 大学の管理運営と教授会権限の関係についての理解
(12) 大学教員の倫理規程と社会的責任の周知
(13) 自己点検・評価活動とその活用
上記の具体例を参考に、本学部では FD 委員会を中心に平成 26 年度及び 27 年度において、FD 活動として何を実施するかを検討し、①教員相互の授業参観を実施すること、 ②学生による授業評価と③これを受けて教員が授業点検シートにおいて授業改善点等を明らかにし、次年度において授業を実施すること、④これらの FD 活動を学生等へフ ィードバックし、⑤さらに、これらのこと及び以下の⑥~⑨を含めて本学 HP へアップ・公表すること、⑥教員として採用された初任教員の初任者研修(特に、本学部の FD 活動に対して理解・協力を得る)、⑦教育優秀教員の表彰及び⑧優秀学生の学長賞表彰の実施、⑨学部共通科目である忍ヶ丘教養科目の学生による授業評価による改善等を実施してきた。
一方、教育学部のカリキュラムは、入学後3年間で、4 年次に配置した卒論、教職実践演習などの一部の科目を除き、教養科目、専門基礎・専門科目などを履修し、卒業単位数となるように配置している。すなわち、専任教員が担当している教養科目~専門科目は1年生~3 年生の学生を対象であることから、教員の全体的な教育評価について、各学年ごとに実施することが可能である。平成 27 年度においては、教員毎の担当科目について学生の学年進行に伴い学生による授業評価がどのように変化するかに焦点を当てることにした。
特に、今回のFD 報告書では、学生による授業評価結果について、教育学部の教育の質の維持と改善に向けて種々の解析を行い、次年度以降の改善点として明記した。また、その他のFD活動について、今までと同様に報告書として取りまとめた。